東京2020オリンピックのテストイベントであり、世界の強豪が参戦した「FIVBビーチバレーボールワールドツアー2019 4-star東京大会」の最終日が7月28日(日)、潮風公園(東京都品川区)で開催された。気温30℃超える猛暑の中、本戦24チームの頂点に立ったのは、男子はノルウェーのアンダース・バーンセン・モール/クリスチャン・サンディア・ソロム組、女子はブラジルのアガタ・ベドナズキ(ヒィッペル)/エドワルダ・サントス・リズボア組だった。
男子決勝戦は、最新のFIVB世界ランキングで首位を走るモール/ソロム組と、ペア結成後ワールドツアーで初めて決勝の舞台に進出した、ドイツのイラス/フルーゲン組の対戦となった。
試合序盤は一進一退の攻防戦となるが、中盤以降はモールの高いブロックを回避するフルーゲンの攻撃がラインを割り始める。「試合中、空中でのボールを支配できていたことがよかった」とソロム。ネット上で幅広い守備範囲を見せるモールのブロックを武器にモール/ソロム組は16-12とリードすると、第1セット終盤はその流れを保ち、モール/ソロム組が21-17で先取した。
第2セットはイラス/フルーゲン組が4-1と先行。イラスの高い打点から繰り出される効果的なジャンプフローターサーブで、モール/ソロム組の牙城を崩しにかかる。しかし、中盤以降は、またもモールのブロックポイント、ソラムの強打レシーブからの攻撃で16-12と逆転に成功。モール/ソロム組は死角を見せることなく第2セットを21-18と制し、ブラジル・イタペマ、中国・晋江、チェコ・オストラバに続いて4回目の4-star大会制覇を果たした。
続いて行われた女子決勝戦。今シーズン好調なアメリカのクライメン/ロス組と「今シーズンは19大会に出場していて東京に着いた時点で、気候のせいもありすでに疲れがあった」というベドナズキ(ヒィッペル)/リズボア組の対戦。
両チームは第1セット序盤から互いに一歩も譲らないヒートアップした展開。勝負を分けたのは、リズボアのスピードサーブだった。中盤以降、クライメン/ロス組を17-13と引き離し、第1セットを21-19と先取した。
第2セットはクライメン/ロス組が意地を見せる。ロスの正確なディグからリズムを作り出し、8-5とリードを奪う。しかし、ベドナズキ(ヒィッペル)/リズボア組はそう簡単に引き離されない。パワフルな強打、オーバーハンドカットでの拾い合い、両者一歩も譲らないせめぎ合いが続いた。終盤に突入するとリズボアのサーブがアメリカのコートに突き刺さる。一気に流れを引き寄せると21-18とベドナズキ(ヒィッペル)/リズボア組がストレートで決着をつけた。
■優勝チームコメント
<男子・ノルウェー>
アンダース・バーンセン・モール/クリスチャン・サンディア・ソロム組
「ハードな決勝戦だった。ドイツチームは今大会、全体的に調子がよく、決勝戦もうまく試合を運んでいたと思う。その相手に勝てたことは自分たちにとって自信につながる。東京はとても暑かったが、たくさんの飲み物を提供してもらったので、それを飲んでしのいだ。またホテルでの食事もとてもライトなメニューが多くよかった。体温は常に高いのでウォーミングアップを極力減らして、調整を図った」
<女子・ブラジル>
アガタ・ベドナズキ(ヒィッペル)/エドワルダ・サントス・リズボア組
「今シーズンはチェコでの4-starオストラバ大会で優勝しているが、その時の優勝と今大会の優勝の意味はまったく違う。アメリカ、カナダのチームが参戦し、とてもレベルが高かったので、勝つことができて自信になった。今シーズンいまいち調子が上がっていないのは、すべての強いチームに関係している。どの大会でも違うチームが優勝しているので、勝ち続けるのは大変なこと。世界のレベルが上がっているなか、現状維持をしていては勝てない。特に自分たちは他のチームに比べて高さがないのでよりタフさが必要。自分たちのレベルをもう一段上げられるように意識して練習していきたい」
(女子メダリスト 左から3位・アメリカ、1位・ブラジル、2位・カナダ)
女子メダリストの表彰式が執り行われたのち、SPECIAL GUEST DJ / EXILE MAKIDAI(PKCZ®︎)による閉会セレモニー「Victory Celebration☆~For 2020~がスタートした。
EXILE MAKIDAI(PKCZ®︎)氏からメダリストと今大会に出場した選手への祝福とともにセレモニーの幕が上がると、決勝戦の余韻冷めやらぬ会場はたちまち興奮の渦へと飲み込まれた。
次のワールドツアーは現地時間7月29日(月)から予選が始まる、オーストリアでの5-starウィーン大会。いよいよ、日本で次に開催される国際大会は東京2020オリンピックとなった。